2012年5月24日木曜日

アロルディス チャップマンの秘訣


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昨年、非公式ながら170km を投げたとMLBでアロルディスチャップマンが話題になりました。

彼のその球速のメカニクスについて考察します。
以前ディスカバリーチャンネルでも少しやってました。


この動画です。ここでは、

ストライドの長さ
股関節と肩関節を結ぶラインの角度差(捻転差)を上げていました。

では、

  • それがなぜいいのでしょう?
  • なぜそれができるのでしょう?

というのはこういう番組のお約束でいってません。
わかってないのでしょう。でいくつかチャップマンについての考察を観ても
みな分からない。身体能力?みたいな形で終わっています。

よくスポーツではタメとかひねり戻しという言葉をよく使います。

骨盤のラインより両肩のラインを後に回すことです。
よく後に回しなさいといいます。ですのでみな横方向しか考えません。
筋肉とか構造的にロボット的に腰と肩が分離していれば、それでいいと思われます。

しかし人間の身体はそんなに簡単ではありません。

また肩を意図的に後にひねろうと意識すると、それによって余計な筋肉に力が入り
それがブレーキとなってその開放時にスムーズではなくなります。

股関節と肩のラインの角度差を生む理由とは?


球速を出すことで大事なのは腕に速度を出すことです。そして
それは肩がどれだけ早く前にいくか、さらに追求すると肩甲骨がどれだけ早く前にいくか
ということになります。

肩を前に進める筋肉ができるだけ引き伸ばされて、それが一気に縮むことが必要になります。
それは他のエントリ(宮里藍の進化に学ぶ  股関節をつかいきろう )でも述べてきました。

SSC(short strech circle) と呼ばれるものです。筋肉が急激に引き伸ばされると反射により
通常よりも強いトルクで収縮します。

これを肩甲骨を前に動かす際に出すのです。

身体を前面側に縮める筋肉で発揮します。

股関節を急激に回旋させて筋肉を引き伸ばしその収縮でエネルギー出す
というのが角度差が重要な理由です。

しかし角度差があればいいわけではなくて急激に角度差を出さないといけません。

無駄な力がはいっているとこの急激に角度差を出すことが問題になります。

骨盤を急激な速度で動かすことが必要になります。

これは骨盤の回旋角度だけではなく、前への移動の速度も大事になります。それを一気にやる
ということです。この速度がほぼ球速への相関として出ます。ピッチャーや投擲競技やテニス、ゴルフ等ではコントロールも大事になりますが、コントロールに関してはその後の身体の使い方になります。(骨盤の移動の速度が早ければはやいほど、コントロールをよくするための前足の使い方が非常に難しくなっていきます。それはここではふれません)

以前、身体の新しく革命的な使い方という記事で股関節の回旋と伸展の分離という話を書きました。主にこの話になります。そしてこの動きを加速させる、もう一つの大事な要素について述べます。それは前足の使い方なのです。骨盤は当然つながっています。ですので後ろ足側だけではなくて前足側をうまく使わないといけません。

多くのピッチャーやいろいろな競技選手はそこが抜け落ちています。

股関節の伸展と回旋の前足が着地するまでがキモになります。
ここではダルビッシュ選手と比較します。

前足が降りてきて加速し始め-> 着地まで になります。




この部分でも、30fps の動画で
チャップマンは 8コマ
ダルビッシュは10コマかかっています。

最初の地点でよりチャップマンは踵が打者側に向いておりつま先と膝がバックスクリーン方向にむいてます。より前足の回転が素早く行われています。これと股関節の伸展と回旋の分離を使い加速しています。ダルビッシュの場合は前足はほぼ降ろしてきて着地するという感じです。

また、ダルビッシュ投手は鳩尾あたりの移動がこの行程では少ないです。
最後にリリース時の写真なのですが。ダルビッシュ投手はより着地後に鳩尾が動いています。
それに比べチャップマンは全移動距離のほとんどを追え、肩甲骨を前に動かす筋肉もこの時点で完全にストレッチされています。ダルビッシュはまだ縦にストレッチされていません。)

着地後チャプマンは3コマ
ダルビッシュは5コマかかっています。




そしてダルビッシュはこの5コマのほうがより鳩尾が大きく動いています。

これを行うには、踵からつま先膝を回しながら膝を前に走らせるような動きが大事になります。
















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