指導する場合には真似をすると特殊な動きだからということで済ませてしまいます。
ですが、真に体の感覚が研ぎ澄まされているからこそできる動きというものが
多くのスポーツで多々あります。
槍投げのヤン・ゼレズニー
テニスで言えば、ラファエルナダル。
ゴルフで言えば、ロリー マキロイ。
野球で言えば、アロルディス チャップマン
ソフトボールで言えば、上野由岐子
いままで取り上げてきた選手は多くが、力を一点に集中させるフォームです。
今回は自転車のロードレースの
ファビアンカンチェラーラのペダリングを取り上げます。
自転車のフォームやペダリングも多くの常識があります。
ほかのスポーツ同様、迷信という類のものも多くあります。
その理屈でいうとカンチェラーラは常識に合わない選手です。他のトップのプロの
ロードレースの選手とくらべてもそうです。
下半身を強く使う場合に一番大事なのは
腸腰筋、お尻周りの筋肉と、ハムストリング等の力の出る筋肉を使うことです。
これらを上手く使うことが自転車競技でも大事なことです。
これらは股関節周りの使い方にほかなりません。
股関節の回旋を上手く使う。
自転車のペダリングは進行方向にまっすぐ回転面が向かい回ります。
そのため、股関節的にいうと、進展屈曲(膝を下げる、引き上げる)ような動きを
重視します。
通常の選手のペダリングとの比較でわかりやすいのでトム・ボーネンと
カンチェラーラを比較します。
左足を引き上げた際ですが、
カンチェラーラのほうが大きく腰が歪んでいることにきがつくと思います。
これはカンチェラーラのほうがより左足側の回旋してるということです。
ボーネンはほぼ真っ直ぐ引き上がっていますが。ここの位置から更に左からお尻方向にひきこんでいます。
自転車のペダリングは両足を使うといいますが主には踏む力です。
よく両足を均等に使うという言い方をしますが。ひきつけるのに使うのではないのです。
引き付ける側の股関節をつかって。踏む力を増してるのです。
この写真の例でいうと左から後方方向に回旋してるので、
逆側が前側に回旋します。
それが
より踏む側の股関節の伸び。ハムストリングス、臀筋がより収縮するのです。
これは自然にできない場合は足を引き上げる際に足首の外側の踵のあたりを引っ張る意識にすることで自然に感じられます。
胴体を長く使う
自転車ではよく骨盤を立てて(後傾)、お腹をまるめろという話がでてきます。
この写真をみるとカンチェラーラは骨盤から脇の下までが真っ直ぐで骨盤も
かなり前傾しています。
骨盤の回旋でも、腹斜筋を(お腹あたりの筋肉)を使うことで,回旋するのですが
動画をみつづけると、ボーネンに比べて、非常に腹部が左右に揺れます。
ペダリングで左右の筋肉が伸び縮みを強くしていることがわかります。
一般的に筋肉を使うのに丸めるほうが力が入る気がしてしまうのですが
鳩尾を上に引き上げるようにして胴体を真っ直ぐに長く保つほうが自然に腹部に
力がはいります。支えようとするからです。
なぜそんなことが必要かというと、骨盤の回旋を強くするのに、腹斜筋の活用が不可欠なのですが胴体を長く保たないと骨盤を回旋させようとしても
腹斜筋が効かずに、肩が動いてしまいます。
なぜそんなことが必要かというと、骨盤の回旋を強くするのに、腹斜筋の活用が不可欠なのですが胴体を長く保たないと骨盤を回旋させようとしても
腹斜筋が効かずに、肩が動いてしまいます。
体型的にもカンチェラーラは胴体が前後が薄く、横に幅広いです。ボーネンは正反対です。
一般的にペダリングでは上で固定することで力を出すということで状態を左右に揺らさないように前後の筋肉を鍛えているのでこうなっています。いっぽう
カンチェラーラは胴体を長くたもち腹斜筋を使うようにしているのでそう鍛えられて
お腹が横に広くなっています。(より寸胴な感じです)
踏み足と逆側の脇の下で引っ張る
骨盤の回旋で踏む方の逆側で踏む力を増すという話をしましたが。それを強くするもう一つの方法をカンチェラーラはおこなっています。
引き上げた足側の脇の下でひっぱることでさらに踏む力を強くしています。
ボーネンは肩を揺らすことでひっぱっていますが、
カンチェラーラは胴体を前にひっぱり肩甲骨を寄せる方向にすることでひっぱっています。
(脇の下でひっぱってるような感じです)
カンチェラーラのほうが身体的に横に安定しているので、これでつよくひっぱれます。
しかしボーネンは前後に筋肉はついているが、横方向が弱いのでここでひっぱれないので肩をまわしてしまいます。
動画を見て、カンチェラーラの胴体の左右へのうねり具合、ボーネンのただ全体として
骨盤を立てろ(後傾させろ) ☓(ハムストリングスや臀筋が使えない)
お腹をまるめろ ☓(腹斜筋が使えない)
上体を縮めて使え X(前鋸筋が使えない)
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