2011年8月16日火曜日

身体操作の基本原理のまとめ その2

身体操作の基本原理のまとめ 以降いくつかbodyhack な文章を書いてきました。
体の最大速度を出すことと体幹の関係性についてもういちど別の視点で記載します。

身体操作の基本原理のまとめ 
体を最大限使うのに考えるべきことについて

体幹の重要性
肩甲骨と股関節の回旋とそれをつなぐ体幹について(主に腹部の固定)

革命的で新しい股関節の使い方
股関節の回旋をあえて伸展だけ切り離すことでより肩甲骨を効果的に使う方法について

という感じです。そして最大速度を出す上で障害となる要因は多々ありますが

やはり一番多いのは肩甲骨が使えてない例です。それが胸郭の動的安定性が確保できてない
ことと腹部が固定されていないことから来ています。


この流れの中で骨盤(股関節)と肩甲骨の回旋について記載します。

まず始動の状態



ここから移動しつつ股関節と骨盤のためをつくっていきます。競技によっては最初からためておく
ものもあります。


さらに肩をひねって肩甲骨をためる



移動の力を転化し骨盤の回旋がはじまります。骨盤の回旋が開始しそこで肩甲骨の場所を維持することで
一般的なねじり動作がつよくなります。この角度差によって胸部から腹部のかけての前面の筋肉が引き伸ばされます。





つぎに肩甲骨が回旋します。肩甲骨が回旋する際に骨盤の回旋の開始によりSSC(short strech cicle)というものが起きます。
短期間で急激に伸ばされた筋肉は速く強く収縮します(ゆっくりのばされた場合より)それによって回旋している骨盤においつくように回旋していきます。




ここで体幹がきちんと使われていると肩甲骨は骨盤を追い越していきます。肩甲骨の回旋の強さと股関節の回旋の強さ
が融合し力が発揮されるわけです。




しかし、ここで胸郭がロックされてしまうと




肩甲骨が股関節をおいこせません。これにより速度が骨盤の速度と同じになってしまいます。


これをさせないことが体幹にとっては大事なことです。


  • 腹部を反らせた姿勢(オードリーの春日のような姿勢)
  • 肋だけ前にだしたような姿勢
  • 肩を前にだしたような姿勢

で腰を回し、胸郭を回そうとしても追い越すようなことができないと思います。しかし

体幹の重要性で述べたような姿勢で腰を回しながら脇の下で回すようにすると分離して動くことが
確認できるとおもいます。これが胸郭の動的安定性が確保されるという状態です。上で述べたような悪い姿勢は
胸郭をロックして肩甲骨が動かなくなります。これでむりやり動かそうとすると俗にいう腕で投げている
という状態になります。これは力を出せないばかりか肩や肘の故障を招きます。


全身を使う上で体幹の大事さはこれに股関節の回旋軸と肩甲骨の回旋軸がぶれないことも大事になります。

甲子園にでてるような高校球児でも肩甲骨のラインと股関節のラインが一体に動いてしまって、力が発揮できない選手
というのはわりと多いです。

負けてしまいましたが徳島商の選手はみなこれができていて、しっかり先々のことを考えて指導されているなぁと
感心しました。


2011年8月15日月曜日

革命的で新しい股関節の使い方 ラファエルナダルとロリーマキロイ


身体操作の基本原理のまとめ において最大の力を出すには肩甲骨と股関節の回旋を最大速度出しそれがインパクトに合わせる

というイメージで体を使うことが最大限の力を出す方法だと述べました。その股関節の回旋の際の使い方がいままで違う使い方を

する選手がテニス界とゴルフ界にいます。それがラファエルナダルロリーマキロイ の二人です。

従来は股関節の回旋をする場合は

  • 後股関節の伸展(足を後ろに伸ばすような動き。股関節を前に伸ばすような動きです)
  • 後股関節の外旋 (腰を横に回旋させる動きです)


をほぼ同時にかけていました。

その例としてテニス ゴルフ両方の例を上げます。

ロジャーフェデラー







石川遼








後膝と後股関節の根本が同時に回旋していっています。


フェデラーはまだ少し小さいですが、石川遼にいたっては顕著です。

しかし二人は最初に股関節の伸展と膝関節の伸展だけが最初に起こります。そして体が浮くような動きが入り
そこから腰が横に回旋していきます。膝が前に向かずに股関節が伸びていく動きが両者ともあります。


ラファエル ナダル





ロリー マキロイ



二人共特殊なフォームで特殊な球を打つと言われています。それはただの選手の癖のように。

そしてこのフォームによってラファエル・ナダルは他の選手には打てない強いトップスピン、
リバースフォアハンドを可能に。

ロリーマキロイは非常に体が安定した状態での強いショットを可能にしています。

ではなぜこのような効果を生むのでしょうか?

完全にはわかっていないと思います。そういったことを記載した文章もみたことはありません。
ここでいくつかの仮定をします。この動きによる効果は

  • 股関節の横の回旋のため、その後の体幹の回旋の速度が速くなる。そしてより大きく股関節が回旋する。
  • SSCにより利き手側の腹筋胸筋を効果的に使える。胸郭のおおきなしなりがでる。
  • 股関節が浮くことにより抜重効果を生み、股関節の回旋がしやすくなる。
  • 通常は股関節の横の回旋時に同時に重心の移動が発生するが、最初の股関節の伸展で重心移動をすませるためより前で回旋の力をロスせず伝えられる

というのが考えられます。とくにラファエル・ナダルの特徴のあの大きな胸郭のしなりはこの使い方がだしています。そして
それが縦方向の力になり強いトップスピンやラケットを横に回さずに強いリバースフォアハンドを打つということを可能にしています。

しかし、いくつかの欠点もあります。


  • 股関節の伸展から横への回旋の動きのつなぎが非常に精妙な動きで難しいため、うまくいかないと開きが速くなり力を発揮できない。
  • 股関節に乗れていないとできない。
  • 股関節の回旋の柔軟性が必要。
  • 体幹の強度がいままでものよりも必要。

という点があります。ラファエルナダルは筋トレばかりして筋肉でプレイしているという言説もあるようですが、
この使い方のためにはあの強靭な体幹が必要なのです。

これは予想でしかないのですが、二人共元々フォームについて細かい指導を受けずにとにかく回数を振って来たのではないかと
おもいます。そんなことをすれば普通は体がぶっ壊れるのですが、そこが才能の違うところではないかなと考えます。

この股関節の使い方の実現性が高かめると(他の選手でも)とさまざまなスポーツがもしかしたら変わるような気がします。
野球のピッチャーでも大きな変化の可能性がある気がします。
(そろそろメジャーリーグのピッチャーに現れそうな気配がします)


具体的な操作方法

このやり方で大事なことは


  • 股関節を伸展させるときに決して膝とつま先の角度を変えない(かわると力が逃げる)
  • 対象物方向と逆の横方向の絞り(ため)を維持する

になります。

感覚としては股関節を伸ばす際に足首は伸ばさず、膝と股関節だけを伸ばす感じにします。
伸ばす際には足の外側に体重をかけながら伸ばして
いきます。足の内側(拇指球側)にかけると横方向のタメが開放されるのでいけません。



こんな稚拙な文章でもだれかが実現できて効果的なプレイができるようになるのを祈ります。







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