2011年7月26日火曜日

体幹の重要性 ... 股関節と肩甲骨の古くて新しくて近くて遠い関係


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ずいぶん前から体幹の重要性があちこちで言われています。

軽く運動してやるぜ的な雑誌ではさかんに言われています。

スポーツ界でも普通にいいますね。
長友佑都だったり、色々。

ではなぜ体幹が重要なんでしょう?

日本人は基礎とか基本が大好きです。そしてその不完全な状態の
原理原則にしばれてしまいます。そして歪んでいったりしまいます。

そういうのに反応しちゃう民族性なんじゃないかな?

とかもちょっと思います。

スポーツジムもちょっと困っているんじゃないかと思います。
体幹のインナーマッスルは主にマシンで鍛えるわけにもいかず、
スポーツジムの意識できる筋肉の一部だけ分離させて効かせるというトレーニング
は通用せず大変です(体の連動で効かせないといけないので)

身体操作の基本原理のまとめ で

「大事なのは股関節と肩甲骨の可動範囲を最大にして加速させて使うことだ。」

と記載しました。その股関節と肩甲骨をつなぐ部分が体幹
なのです。それらをうまくタイミング合わせて連動するのに必要なのが体幹の力
だからです。


  • 体幹腹部の腹圧の大事さと肩甲骨と股関節の関係
  • 胸郭の柔軟性


の二つについて主に記載していきます。

体幹腹部の腹圧の大事さと肩甲骨と股関節の関係

ピッチャーは腹筋が衰えることで球速が衰えていく
の理由もここだったりします。この体幹部の動きについてそれを主眼とする考え方も
あります。胴体力と呼ばれるものはそうなります。また2軸動作とかいったものが
あるのもこの体幹部の役割をうまく解決しようという意図です。しかし現状の理論の枠の
中にはめても誰も完全には解けていません。なのでいろいろなものを見て自分で理解して
自分で判別して利用していくのがいいと思います。この文章もその中の一つです。


肩甲骨と股関節(骨盤)は体幹でつながっており、その部分の柔軟性や筋力で
肩甲骨と股関節の可動範囲は大きく変わります。

その際にその可動性に大きくかかわりがあると言われているのが仙腸関節です。

骨盤力なんかでも話題にでています。945ベルトとかいうインチキくさい商品もあります。
(とか言うと怒られそうなので怒られそうになったら消します。w)

右肩を後ろにひねる場合は左股関節が前へ(右肩が前へ出る場合は逆)
左肩を後ろにひねる場合は右股関節が前へ

という運動は骨盤の分離運動といいます。これで可動域が変わりますし関連性がわかります。
股関節と肩甲骨は対角線の関係にあるということです。
また股関節と肩甲骨は左右でも関係あります。

右肩が前に出る動きは左肩が後ろに引かれる可動範囲に影響されます。

それを支えるのが体幹部です。

体幹部の骨は胸郭には肋骨等があり、このおかげで安定性があります。
しかし腹部には肋骨ようなものはありません。この変わりをしている
筋肉があるのです。その安定性の度合いを腹圧といいます。
この腹圧の低下が肩と股関節の対角線の柔軟性を落とします。
これがピッチャーが衰えるという要因です。

腹圧が衰えるとコルセットの役割をしていた腹筋の一部がゆるみます。
体横に倒れたり、またゆるくなります。そうすると肩甲骨胸郭が
胴体とまったく同じ動きをしてしまって力を発揮できません。

野球や空手の初心者は胸郭と胴体が分離して動かすことができませんが
それはそういう理由です。年とったおじさんで腹が前に出てる
姿勢とか典型的に腹圧が衰えている状態です。年をとって見える姿勢
というは運動的にも適切に力を発揮できない姿勢ということです。

また胸郭の柔軟性で話をしますが胸を張れといいます。そうすると

オードリーの春日のような姿勢

と勘違いしていますがアレはダメです。彼も腰をきっとそのうち壊します。
あれはそらしているのは腹部であって腹部が固定されていません。
(姿勢をよくしなさいと言われて子供がとってしまう姿勢でもあります。
間違ったことを言う親がまた事態を悪化させていきます)

お腹をひっこめて固定する意識が大事です。

腹部を固定する力があって肩甲骨の力を発揮できるのです。

2ch を覗いいたら

肩甲骨って使うの使わないの?意識できないよ?

みたいな話がありました。上のような問題を解決してないと分離して
動かせないので意識なんてできません。だから無意味だという話
がでてくるのでしょう。

また二軸動作のような話が出てくるのは股関節と肩甲骨という大事なものは
左右にあるということが理由だと思います(足と手は2本ずつあるからとも言えます)
しかし左右だけでくっついてるわけじゃありません。間には背骨がありその回りを
腹筋群が固定しています。ですので2軸動作で全てを語るのは無理があると私は
思っています。体の中心が一本である以上そこにねじりはくるのです。(背骨が2本走って
いれば話は別です)

肩甲骨と股関節は対角線で意識が大事です。それを中心でこするように使う
と腹筋をしっかり固定しますのでそういう意識をすることです。

胸郭の柔軟性について

次に気になるのは自分も含めてなのですが、胸郭の柔軟性です。腹圧に関連した
もう一つ大事なものだと思います。腹圧で腹部を固定して胸郭を動かすわけですが
これも現代人は固いことが多いです。特に日本人はそうです。腹圧を高めお腹を
引っ込めた状態で胸を前後に傾ける動きが力を出すには大事ですが
みなさんうまくできません。そのあたりをほぼ使っていないからです。

古武道などでも胸郭を上げて落とすというのですがそういった動きができません。

この前渋谷の街を歩いていたら愕然としました。姿勢としては胸郭は胸下側が前でるように
傾き、肩甲骨側はかすかに丸まっているのがいいのですが(真の意味で胸を張る)そうなってる人は皆無でした。

これは日本人の骨格の関係もあると思います。ですが特に若者はひどいようです。
こういった姿勢についてはあちこちのサイトに記載があると思いますが
これは運動の際に力を発揮するのにも大事なことになります。

腹圧を効かせた状態で胸を張り前後に傾けると背中側(肩甲骨)に刺激が
いきます。最初は難しかもしれません。それが体幹と肩甲骨をつなげる力なのです。
また注意点として、特に猫背の方の場合ですが肩を大事にします。
肩を下げ後ろにしっかり引くことが大事です。


  • 腹部の固定
  • 胸郭だけで反らす(上げるような意識でもいい)
  • 肩は下げしっかり後ろ側に引く

この姿勢がうまくいくと胸郭だけ腹部と分離して左右に動かす感覚がでます。
力ははいっているけど緩んでるような感覚です。

この傾斜は肩自体の可動範囲に比べたら小さいですが
より根本での動きなのでそれが末端に達したときは大きく作用します。

テニスのジョコビッチや野球の160km を投げるような選手の胸郭を見て頂ければ
と思います。

体幹部の筋肉や感覚というのはなかなか感じることが難しいです。そこで大事
なのが日々の歩行になります。日々の歩行で対角線の股関節と肩甲骨
の連動と腹圧、胸郭を意識して常にあるくことが大事になります。

体幹ランニング

こちらあたりはなかなかいいと思います。私はこの走り方をストレッチ変わりにしています。
このまま歩行にすることで日々意識もできます。コレをアタマにいれた状態で
最近ランニングしている方がいると思いますがそういう人を見てもらえると
また見地が広がると思います。

結局、特殊なトレーニングが大事なのではなくて日々の生活が大事だ
という話になってしまいました。

(とりあえず勢いで書きましたのでまた絵とかは後で入れます)
胸郭の柔軟性について、追記しました(肩に関して)


続編 理想の開発環境でクルーズ&アトラスに座って腰痛になってしまえばいい
体幹の筋力低下の危険性について書いてます。

1 件のコメント:

  1. 年をすると体の使い方大切ですね、とても参考になります。

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